あの兄弟との戦いから、3日が過ぎた。

幸い祝日を挟んでいたので、弾の新しい服や、傷の手当てに必要な包帯などを買いに行けた。

──傷の手当てに関して、弾は必要ないと言ったが、花梨は無視をした。
傷の手当てをしている間に、いろんな話もゆっくり出来た。
「歳を誤魔化した理由は?刀をどこに隠し持っていたの?ノンシェイパーはもう来ないの?最後の火柱は何だったの?」
という風に殆ど花梨の質問だったが、
「歳を誤魔化したのは、花梨の年齢が判らなかったから。刀は〈ヘルメス〉から取り出した。
ノンシェイパーは多分また来るが、そんなにすぐには来ない。あの火柱は俺が出した」
といった具合に、最初に出会った時のように淡々と、全ての質問に答えてくれた。
そして今。
花梨は弾と舞と司と、一緒に昼食をとっている。
クラス内で噂になっていた『弾と花梨は恋人説』は弾と一緒に従兄弟と言い張ったので、
それなりに落ち着いていた。

「なあ、弾君って言い方疲れるから、弾って呼んでいいか?」
「ああ、それじゃあ俺も呼び捨てにするよ」
この昼食も、弾がいるのが普通になり、会話もそれなりにはずむようになってきている。
(いつもの生活に、弾が増えただけで何にも変わらない……本当だ。
それに、もうノンシェイパーが襲ってきてもそんなに怖くない。

だって……
『次にマスターを奪われる時は……俺の命が尽きる時だ!』って言ってくれたもんね)

「花梨ー、何顔を真っ赤にしてにやけてるの?」
どうやら、顔に出ていたらしい。
花梨はそういう所を直さなきゃなーと思いつつ、舞の質問には苦笑で答えることしか出来なかった。